D130とアンプのこと(その32)
BL積のBは磁束密度のことで、Lはボイスコイルの長さのことである。
Lは長さなので、技術書ではBL積ではなくBl積と表記されているが、
見難いのでBL積と、ここでは表記していく。
BL積は、磁束密度が高くボイスコイル長が長いほど高くなるわけだ。
そして動電型(つまりダイナミック型)スピーカーにおける駆動力とは、
このBL積にボイスコイルに流れる電流値IをかけたBLIとなり、
磁束密度が同じ磁気回路のスピーカーユニットではボイスコイル長の長いほうが、
電流は少なくても同じ駆動力が得られることになる。
JBLの4インチ径ダイアフラムのコンプレッションドライバーでは、
8Ωよりも16Ωの方が聴感上の結果は良かったわけだが、
だからといって、どんなに場合にもBL積の値が高いほうが好ましい結果が得られるとは限らないだろう。
4インチ口径のコンプレッションドライバーでは高域が延びているといっても10数kHzまでだから、
16Ωの方が良かったのかもしれない。
スーパートゥイーターのように20kHz以上まで延びていると、結果は変ってくることも考えられる。
ボイスコイル長は同じで磁束密度を増してBL積を大きくするのであればいいのだが、
ボイスコイル長を長くした(16Ω仕様とした)場合、
ボイスコイルはその名の通りコイルであるためインダクタンスがその分増すことになる。
このことは高域のインピーダンスの上昇へとつながっていく。
これに関することで思い出すのは、オルトフォンのカートリッジのインピーダンスについてである。