岩崎千明氏のこと(続々・Electro-Voice Ariesのこと)
エアリーズに対しては、さほど関心をもつことはなかった。
私が読みはじめてからのステレオサウンドにはエアリーズは登場していないし、
ステレオサウンドにエアリーズが登場したのは22号だけのはず。
22号の特集は「中・小型フロアー・スピーカー・システム総まくり」で、
1972年3月発行の号だから、エアリーズが登場して約1年後だから、
エアリーズが22号で、どういう評価を得ているのか、いまごろになって関心をもっているのだけれど、
22号は手もとにない。
22号では岡先生、菅野先生、瀬川先生が試聴メンバーで岩崎先生の名前は、そこにはない。
エアリーズは高い評価を得たのか、それともほどほどの評価だったのか。
22号を大きな図書館に行って読めばわかることだが、
なんとなくではあるけれど、絶賛という評価ではなかったように思える。
22号で非常に高い評価を得ていたのであれば、
その後のステレオサウンドに、もう少し登場していてもおかしくないからだ。
私がエアリーズに対して関心が薄かったのは、ステレオサウンドでの扱われ方も大きく影響している。
私のなかではエアリーズの存在は小さかった。
それがここにきて、急に大きくなってきている。
ステレオサウンド 38号をみれば、岩崎先生はエアリーズを鳴らすために、
デュアルのプレーヤー1009にオルトフォンのM15E Superをとりつけて、
アンプはというとマランツの#7と#16のペアがあてがわれている。
エアリーズの価格からすれば、贅沢な組合せといえよう。
それに38号の写真をみればみるほど、
暖炉の両脇に置かれたエアリーズはスピーカーには見えない、家具の一種としてそこに存在している。
パラゴンの置かれていた部屋にはハークネスも620Aも、ヴェローナもあり、
アンプも幾段にも積み重ねられている。
エアリーズの部屋はスピーカーはエアリーズだけである。
だから、またあれこれ考えてしまう。