Date: 11月 29th, 2012
Cate: 菅野沖彦
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菅野沖彦氏のスピーカーについて(その9)

私にとってマッキントッシュのXRTシリーズのスピーカーシステムといえば、
XRT20とXRT18だけ、ともいえる。

その2機種の後に型番にXRTのつくスピーカーシステムはいくつも登場しているから、
それらも当然マッキントッシュのXRTシリーズのスピーカーの範疇に含まれるといえば、
たしかにそうであるけれど、個人的にはXRTシリーズのもつ特色が色濃く音に反映しているのは、
XRT20とXRT18であり、XRT26、XRT25は形こそXRTシリーズではあるものの、
何かが変ってきてしまったようにも感じてしまう。

XRT20、XRT18とXRT26、XRT25のあいだに登場したXRT22は、
XRT20の後継機といえばそういえなくもないのだけれど、
私としては、なんとなくふたつのXRTシリーズの境界線付近に位置するモデルのようにも見えてしまう。

なぜ、そう感じてしまうのか。

XRT18は、ステレオサウンド 77号(特集はComponents Of The Year)で、
JBLのDD55000、ダイヤトーンのDS10000とともに、ゴールデンサウンド賞に選ばれている。

その座談会で、菅野先生の発言がじつに興味深い。
     *
これはJBLのエンジニアが言った言葉なのですが、マッキントッシュのスピーカーはマッキントッシュの『表現』であると。それに対して我々(JBL)は、忠実な変換機をつくっている、と言うんです。これはある面とても当たっていると思うんです。ですから、マッキントッシュは、自分たちの表現したい方法が見つかれば、変換機としてのオーソドックスなセオリーから外れたとしても、積極的に採用していくという姿勢でしょう。その点で、JBL等の歴史の長いスピーカー専業メーカーとは体質がまったく違う。
(山中先生の発言をはさんで)
ものとしての存在感はJBLの方につよく感じて、マッキントッシュにはものとしての存在よりも、その音の世界の存在を感じますね。
XRT18だと各ユニットの存在は、そのスピーカーの中にある。けれど、JBLはユニットの存在感が強烈にあって、スピーカー全体も大きな存在になっている。それにしてもJBLの人間はうまい表現をしたと思う。
     *
菅野先生も最後にいわれているように、
JBLのエンジニアの、
マッキントッシュにはスピーカーはマッキントッシュの「表現」、
JBLは忠実な変換機をつくっている、は,まさにそのとおりだと思う。

XRT20、XRT18はマッキントッシュの見事な表現であり、
そこのところにおいて、XRT26、XRT25はそこから忠実な変換機でもあろうとし、
マッキントッシュの「表現」に不徹底なところが出てきてしまった……、
そんなふうに私は解釈してしまう。

1 Comment

  1. EddieMunsterEddieMunster  
    11月 29th, 2012
    REPLY))

  2. JBLとマッキンは同じ穴の狢と感じているのは私だけ^^;

    1F

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