SUMOのThe Goldとヤマハのプリメインアンプ(その1)
ヤマハのプリメインアンプにA-S2000とA-S1000の2機種がある。
どちらも4年ほど前に登場している。
A-S2000が208950円、A-S1000が155400円。
以前であれば高級プリメインアンプに位置づけられる価格であっても、
いまではどちらかといえは安い方の価格帯に位置することになってしまう。
ステレオサウンドのベストバイ(現在ではベストバリュー)でプリメインアンプのページをみれば、
価格帯は3つに分けられている。
20万円未満、20万円以上50万円未満、50万円以上で、しかも税込み価格ではなく税抜き価格で分類するため、
ヤマハのプリメインアンプ2機種は、それぞれ199000円と148000円で、どちらもいちばん安い価格帯になる。
A-S2000、A-S1000は、私と同世代、そして上の世代の方ならば、
その型番からすぐにわかるように往時の、
ヤマハの代名詞的なプリメインアンプであったCA2000、CA1000の21世紀版とも受け止められていると思う。
1970年代、CA2000とCA1000は高級プリメインアンプを代表するものであった。
A級/B級動作切替を備え、白木の丁寧な仕上げのケース、GKデザインによるフロントパネル……、
いまでも手に入れたいと思っているマニアは少なくないだろう。
ヤマハはその後、プリメインアンプに関しては、まったくイメージを一新したA1を発表、
それに続くシリーズとして、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9を出し、
CA2000、CA1000の後継機は登場しなかった。
1980年代後半にA2000が登場し、型番の上からはCA2000の後継機ともいえなくもないが、
フロントパネルのデザインをみるかぎり、私にとってはCA2000の後継機ではいえなかった。
そんな私にとって、A-S2000とA-S1000の登場は、
ひさびさにヤマハが本格的に取り組むことの現れであり、CA2000、CA1000の後継機であることは、
写真を見ただけで伝わってきた。(とはいえ優れたデザインとはいえないけれど)。