Date: 8月 10th, 2012
Cate: 平面バッフル
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「言葉」にとらわれて(その6)

どうしても私の中には、
バッフル・イコール・スピーカーユニットを取り付ける面という意識が強くて、
だからバッフル・イコール・平面ということになってしまいがちである。

エンクロージュア型のスピーカーシステムにおいても、
バッフルということになるとスピーカーユニットが取り付けられるのがフロントバッフル、
その対向面がリアバッフルであり、
フロントバッフルで軽く曲面を描いているものがあって、それは平面の一種だとしてとらえてしまう。

そういう感覚のもとでは、ホーンバッフルという言葉は、
ずっと以前から使われているのは知っていたけれど、ずっと違和感を感じていたし、
ホーンバッフルという言葉自体、古い表現だとも思っていた。

けれど平面バッフルに放射状に4本の切れ込みをいれて、
スピーカーユニット前面に向けて傾けると、それはホーンになる。
そう考えると、ホーンバッフルという言葉に、一転納得してしまう。

そういえば古いスピーカーの教科書的な本には、
エンクロージュアについて書かれた頁に、まず平面バッフルがあり、
そのままでは大型のままなので、少しでも小型するためにバッフルを後方に折り曲げて後面開放型とする、
さらに後面開放型を完全に閉じてしまうことで密閉型となる……、
そういった解説がなされていたのが、いくつかあった。

ホーンバッフルとは後面開放型を反転させて、すこし形状を変えたもの、という見方ができるということに、
オーディオをやり始めたころは、どうしても気がつかなかった。

とはいってもホーンバッフルと後面開放型は同じではないし、
当然ホーンバッフルそのものを前方ではなく後方にもってくると、どうなるか。
それはバックロードホーンということになる。

ホーンバッフルがユニットの前方にあれば、ユニットは当然奥に位置し、
ホーンバッフルがユニット後方にあれば、ユニットは前面に突き出した格好になる。
どちらもこのままでは設置場所をとりすぎる。

平面バッフルよりも縦横は小さくなっても奥行きは長くなってしまう。
ならば後方ホーンバッフルを折り曲げてしまえば、
これはもう従来からあるCWバックロードホーンへとなっていくわけだ。

「バックロード・ホーンは優れたバッフルだ。」
──岩崎先生の、この言葉を思い出す。

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