the Review (in the past) を入力していて……(その3)
瀬川先生の「いま、いい音のアンプがほしい」の入力も終りに近づいたとき、ふと気がついた。
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今のままのアンプの作り方を延長してゆけば、やがて各社のアンプの音は、もっと似てしまう。そうなったときに、あえて、このアンプでなくては、と人に選ばせるためには、アンプの音はいかにあるべきか。そう考えてみると、そこに、音で苦労し人生で苦労したヴェテランの鋭い感覚でのみ作り出すことのできる、ある絶妙の味わいこそ、必要なのではないかと思われる。
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このところを入力しているとき、すぐさま頭に浮かんだのは、クレルとパス・ラボのこと、
つまりダニエル・ダゴスティーノとネルソン・パスのふたりのことだった。
もう反射的に頭に浮かび、どちらも、いま早瀬さんが惚れこんでいるアンプでもある。
なぜ、このふたつのブランドなんだろうか、と考えたとき、ある共通項が浮かんだ。
パスもダゴスティーノも、どちらかといえば、コントロールアンプよりもパワーアンプを得意としていること、である。