バーンスタインのベートーヴェン全集(その5)
音楽通信の取材で、ベートーヴェンの交響曲を一番から九番まで順番に聴くということは、
カラヤンによる全集なのかと思っていたら、バーンスタンのものだという。
この取材がおこなわれた1983年9月25日、と記事にはある。
バーンスタインのベートーヴェンの全集が出たのが1980年前半、
カラヤンのは、ベートーヴェンの没後150年にあたる1977年の発売。
バーンスタインのほうが新しいとはいえ、出たばかりの新譜でもない。
黒田先生はカラヤンを好まれて聴かれていたから、てっきりカラヤンだとばかり思っていた次第だ。
カラヤンのベートーヴェンとバーンスタインのベートーヴェン。
どちらも一流のオーケストラを率いての録音だが、
カラヤンは手兵ベリルン・フィル、バーンスタインは自発性に富むウィーン・フィル。
どちらもドイツ・グラモフォンの録音だが、カラヤンは徹底したスタジオ録音、バーンスタインはライヴ録音である。
カラヤンの録音は、1975年1月から始まり77年3月に終っている。
バーンスタインはというと、1978年11月から79年9月までの、1年足らずで終らせている。