Date: 12月 6th, 2011
Cate: ショウ雑感
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2011年ショウ雑感(その9)

MC3500とMC275は、どちらもマッキントッシュの管球式パワーアンプだが、
それ以外の共通点となるとあまりない。
出力管も違うし、つかっている本数も違う。
だから出力が、MC275は75Wなのに対しMC3500は350Wを誇っている。
この出力の差に見合うだけの規模の違いもある。
MC275はステレオ仕様、MC35000はモノーラル仕様で、コンストラクションもまったく異る。

性能的にもMC3500は管球式パワーアンプの限界に近いのでは、と思わせるだけのものをもっている。
MC3500をつくれるのは、いかにもアメリカのオーディオメーカーだけだろうし、
同じアメリカの、管球式アンプ全盛時代、両雄といわれたマランツでもModel 9はつくっても、
MC3500はつくれるだけの技術力を持っていたとしても、つくりはしなかっただろう、と思えるような、
この時代のアメリカの、マッキントッシュという会社だからつくりなし得たパワーアンプだと思う。

余談になるが、MC3500をはじめて見たのは、赤坂のクラブだった。
まだ18だったころ、アルバイトで行った先のステージの端にMC3500が数台置かれていた。
PA用のアンプとして使っていたのかもしれない。
アルバイトは、不調になったMC3500の引取作業だった。
初めて目にした日に初めて実物に触れることができた。
その大きさ、重さ──、ただただ「アメリカだなぁ」と感じていた。

音は、いまだ聴いたことはない。
聴いてみたいと思うし、もう聴かなくてもいいかなぁ、とも思う気持がある。
もし聴く機会がめぐってくるのなら、MC275といっしょに聴いてみたい。

MC275とMC3500、このふたつのパワーアンプのどちらを選ぶかは、分れると思う。
パワーアンプとして優秀なのは、MC275ではなくMC3500のほうだ。かなりの差がある、といってもいいだろう。

EMTの930stから927Dstに無理して換えたときの、まだ20代なかばだったころの私だったら、
MC275とMC3500を比較試聴したら、MC3500を選んだはずだ。

でも、いまはMC275を選ぶ──、そうすると思う。

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