Date: 11月 19th, 2011
Cate: iPod
Tags:

ある写真とおもったこと(その5)

iPodはデジタルの長所を活かして、
ソニーのウォークマンのようにテープをつくる人の環境・技倆によって音が変ってくることはない。
しかも楽曲を提供するiTunes Storeを開始している。

それまではiTunesでのリッピングの設定による音の違いが起っていたのが、
iTunes Storeでは最初から圧縮された音源を購入するわけだから、
圧縮レートの違いによる音の違いも、ここではなくなってしまう。
iTunes Storeからダウンロードした音楽においては、
再生する人によって音が変化する、ということが基本的にはありえない。

このことはオーディオマニアだったジョブズの、
オーディオに対する、なにか特別な感情の顕れのような気もするし、
そういった特別な感情が生み出したような気もする。

誰が使っても同じ音楽であれば同じ音で提供するモノ、としてiPodは生れてきたのではないだろうか。
ということは「音は人なり」という大原則のもとにオーディオをやってきた者にとって、
iPodは、果してオーディオ機器と呼んでいいものだろうか、と迷うところがある。

それはオーディオ機器としての音のクォリティがどうかということではなく、
誰が使っても同じ音を提供できるモノだから、である。

2006年にiPod HiFiを出している。
量販店のさわがしい店頭で、ほんのわずかな時間、聴いた、というよりも耳にしたことがあるだけだから、
iPod HiFiの音については、正直語れない。
ようするに5年前はiPod HiFiに対して、ほとんど興味がなかった。
こんなモノなの……、という意識をもっていた。

けれどiPodに対する見方が変ってきたとともにiPod HiFiをきちんと聴いておきたかった、と思い始めている。

そしてiPodからデジタル出力を取り出せるようになった。
このことを含めて、オーディオマニアとして、
オーディオマニアだったジョブズがつくり出したiPodを、いまいちどじっくりと見直す必要があると感じている。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]