岩崎千明氏のこと(その1)
「自分の耳が違った音(サウンド)を求めたら、さらに対決するのだ!」
岩崎先生の言葉だ。
レコパル(小学館)の創刊号に載っている。
それにしても、カッコいい言葉だ。
岩崎千明の名前を最初に見たのは、ステレオサウンド 41号と、
ほぼ同時発売の「コンポーネントステレオの世界 ’78」においてだ。
どちらも1976年の12月に出ている。
42号の記事には登場されていない。
サンスイのQSデコーダーQSD2の広告のみ。
43号には「故 岩崎千明氏を偲んで」が載っていた。
リアルタイムで読んできたわけではない。
岩崎先生の文章をまとめて読んだのは、「オーディオ彷徨」がはじめてだった。
それでも岩崎先生の印象は強烈なものだ。
だからというわけでもないのだが、岩崎先生について、まとめて書く自信がなかった。
いまもあるかといえば、はっきりしないのだが、それでも以前よりは書けそうな気が、すこし出てきた。
そして冒頭の言葉──、
「対決」するための大音量だったのではないかと思えてきた。