Date: 10月 28th, 2011
Cate: 快感か幸福か
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快感か幸福か(続々続々・音楽の聴き方)

レコードが発明されオーディオがあることで、くり返し聴くことができるようになった。
一度きいただけではなかなかよさを感じとりがたい音楽であっても、演奏であっても、
何度か聴くうちに、じわじわとよさが理解出来ることもあるし、
ある日突然、その音楽、演奏のよさに目覚めることもある。

どちらにしてもくり返し聴くことができるから、のことである。

ということは歳とともに愛聴盤は増えていくことになるのだろうか。
若いときにはよさを感じとりにくかったレコードが、いつしか大切なレコードになっていく。
そのとき愛聴盤が1枚増える。
ながく音楽を聴いていくうちに、そうやって1枚1枚愛聴盤となっていくレコードがある。

増えていくばかりであれば、そのことを音楽を聴いていくうえで幸せなこと、と呼んでいいのか。

まだ未熟な音楽の聴き手だったころに愛聴盤だったものが、
歳とともに色褪せてくることもあり、愛聴盤だったレコードが気がつくと愛聴盤とはいい難くなっている。

愛聴盤となっていくレコード、愛聴盤ではなくなっていくレコードがある。
どちらが多いかは、その人(聴き手)によって異ってくることだから、なんともいえない。

若いときに、あれほど夢中になったレコード(音楽)に、いまは夢中になれない自分がいる。
それは歳をとり、感性が硬化したためなのか、劣化したためなのか。

音楽の聴き手としての純粋さ、純度といったものが汚れてきてしまってきているためなのか。

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