40万の法則が導くスピーカーの在り方(その9・追補)
この項の(その9)を書いたあとで、
スコーカーに20cm前後の口径のコーン型を採用した3ウェイ・スピーカーシステムについて、あれこれ調べてみた。
インターネットがあっても、こういう調べものをするときは、
ステレオサウンドが以前出版していたHiFi STEREO GUIDE(のちのYEAR BOOK)、
つまりカタログ誌があったほうがずっと助かる。
でも、ないものはしょうがなく徹底的に調べるまでにはいたらなかった。
それでも、ひとつ見つけた。
フランスのフォーカルのScala Utopiaは、スコーカーは16.5cmのコーン型を使っている。
このスコーカーと、27cmコーン型ウーファーとのクロスオーバー周波数は250Hz、
2.7cm口径の逆ドーム型トゥイーターとのクロスオーバー周波数は2.2kHz。
ふたつのクロスオーバー周波数の積は、55万。
40万との差は15万だから、約4割近く増えていることになる。
それでも他の3ウェイ・スピーカーシステムからすると、ずっと40万に近い。
Scala Utopiaとほぼ同じクロスオーバー周波数をもつのが、ソナース・ファベールのElipsaがある。
スコーカーは15cm口径のコーン型で、250Hzと2.3kHzのクロスオーバー周波数をもつから、57.5万となる。
40万からすこし離れてしまう。
もうひとつ見つけている。
アバンギャルドのduo Ω G2だ。
中・高域はホーン型だが、
スコーカーのドライバーはコンプレッション型ではなく口径17cmのドーム型を使っている。
コーン型とドーム型という違いはあるものの、Scala Utopiaのスコーカーと同口径といっていい。
こちらのクロスオーバー周波数は170Hzと2kHzで、積は34万。
Scala Utopia、Elipsaよりも、40万に近い。
多少へそ曲がり的なスピーカーシステムの探し方だが、それでも探せばあるものだし、
こういう興味の持ち方も、オーディオにはあり、だと思う。