Date: 6月 13th, 2011
Cate: 朦朧体
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ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その51)

ロジャースPM510は、JBLの2405的な音の世界とは遠いところにある。
だからといってピラミッドのT1的な世界に近いかというと、そうではないとはいうものの、
2405かT1かという極端な物言いをすれば、T1よりはいえなくもない。

つまりどういうことかといえば、PM510の音には、
2405の切り張り的だから表現できる輪郭の鮮明さはないからだ。

瀬川先生がステレオサウンド 56号に書かれているようにPM510の音は、「おそろしく柔らかい響き」をもつ。
だから、4343をマークレビンソンのLNP2やML6、ML2、
それにカートリッジにデンオンのDL303、オルトフォンのMC30などと組み合わせたときの音に馴染みすぎていると、
PM510の音に耳のピントを合わせるのにとまどった、とも書かれている。

ピラミッドのT1の自然で立体的な音像よりも、
平面的でも、むしろ平面的であることで輪郭がはっきりしてくる2405をあえてとらえる瀬川先生が、
「音のまわりに光芒がにじんでいるような、茫洋とした印象」の、
けっしてシャープではない音像を提示するPM510を「欲しい!!」と思われたのはなぜだろうか。

その理由について考えるときに頭に浮んでくるのが、
目黒のマンションで鳴らされていたJBLの4345の組合せ、
「続コンポーネントステレオのすすめ」での4343の組合せ、
「コンポーネントステレオの世界 ’80」でのアルテック620Bの組合せ、である。

4345と4343は、どちらもアキュフェーズのコントロールアンプとパワーアンプで、
620Bはコントロールアンプは上の組合せと同じアキュフェーズのC240、
パワーアンプはマイケルソン&オースチンのTVA1(管球式)だ。

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