LNP2について(その10)
過剰さということならば、チャンネルデバイダーのLNC2も忘れてはならない。
1976年当時、 LNP2は108万円、JC2は58万円、LNC2も58万円していた。
しかもLNC2は2ウェイ専用モデルであり、3ウェイ化にはもう1台、4ウェイだとさらにもう1台追加である。
3ウェイの場合、1台で、いちおう使えるようになっていたと記憶しているが、
スロープ特性もゆるやかで補助的なもので、あくまでも本気で取り組むのであれば、追加が必要になる。
このころの感覚では、同じメーカーのコントロールアンプとチャンネルデバイダーが同じ価格ということは、
ほとんど例がなかった。
しかもLNC2のレベルコントロールは、
10回転タイプで、0.1dB刻みの目盛りがついているだけでなく、ストップレパーまである。
マーク・レヴィンソンは、マルチアンプで聴いている、と瀬川先生が書かれていた。
レヴィンソンは、マルチアンプのレベルコントロールを、0.1dBまで追い込んでいたのだろうか。
彼がどういう音楽の聴き方をしていたのかが、LNC2の構成から、一面だけとはいえ伺えるよう。