LNP2について(その11)
私がステレオサウンドを読みはじめたのは、1976年12月に出た41号と、別冊の「コンポーネントの世界 ’77」だ。
どちらを読んでも、LNP2の評価は、特に瀬川先生の評価は高かった。
41号では、JC2と比較して、
「音楽の表現力の幅と深さでLNPはやはり価格が倍だけのことはあると思う」と書かれている。
「コンポーネントの世界 ’77」でも、瀬川先生の組合せにLNP2は登場しているが、JC2の出番はなし。
くり返し、この2冊に読み耽っていた中学2年の私は、
マーク・レヴィンソンが自家用として使っているのは、LNP2だと思い込んでいた。
ところが数号後のステレオサウンドには、JC2(ML1L)をメインとして使っている、と出ていた。
頭が混乱したのを憶えている。
「えっ、なぜ? レヴィンソンは社長だから、いちばんいいモノを使っているはず。
だからLNP2でしょ? なぜJC2なのだろう……」
このときは、まだLNP2もJC2も、まだ聴いていなかった。
だからステレオサウンドの記事だけが頼りだった。
JC2はML1Lになり、純度を高めてML6L(シルバーパネル)へと到る。
たしかに、レヴィンソンが使っていたのはJC2(ML1L)だったのだろう。
だとすれば、レヴィンソン自身にとって、LNP2の存在はなんだったのか、と考え込む……。