Mark Levinsonというブランドの特異性(その29)

マークレビンソンのアンプ、LNP2LにしろML2Lにしろ、共通しているのは、
全体に贅肉を感じさせることのない、硬質に磨き上げられた美が、
過敏なまでに音楽の微妙な表情までも、くっきりと浮き立たせることだ。

さらにML2Lが特に顕著といえるが、低域はソリッドに引き締り、音の緻密さにおいて、
当時マークレビンソンのアンプに匹敵するアンプは、まず見あたらなかった。

マーク・レヴィンソンの繊細な神経によって、過剰なまでに磨き上げられた音を聴いた後では、
他のアンプだと、それがいいことか悪いことかは別として、なにかものたりなさを感じてしまう。

だからこそ、マークレビンソンのアンプに対する好き嫌いは、はっきりしていた。
瀬川先生のように惚れ込まれる人もいれば、
黒田先生はナルシシズムを、そこに感じておられたようだし、
神経質過ぎると敬遠する人も少なくない。

LNP2L、ML2L、JC2は、やはり過激なアンプだ。
だから、惚れ込む者は、どこかしら青臭いところが残っているのかもしれない。

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