ハイエンドオーディオ考(その21)
(その19)で触れている、ソナス・ファベールのソナス・ファベールのStradivari Homageを見て、
音を聴くこともなく、買っていった女の人は、その後どうなんだろうかとおもう。
当時、ペアで五百万円ほどのStradivari Homageを買う。
この女の人は、Stradivari Homageに見合うアンプその他をすでに所有していたのか、
それともStradivari Homageと一緒にまとめて購入したのか。
なんとなく後者のような気がするするが、仮にそうだとして、
この女の人は、その後、オーディオにお金をかけるのだろうかと思う。
Stradivari Homageをポンと買っていく人だから、かなり裕福な方だろう。
アンプその他も買って行ったとしたら一千万円を超える買い物となる。
オーディオ店にとって、いいお客のはずだ。
ただ、その後もいいお客と言えるのか。
Stradivari Homageの購入をきっかけにオーディオに強い関心を持ってくれるかもしれないが、
高価な音の出る家具としての購入とも考えられる。
そうだとしたら、グレードアップといったことには関心がないだろう。
つまり一回限りのお客の可能性もある(高い)。
それでも一回で大金を払ってくれるのだから、十分すぎるいいお客と、オーディオ店の店員からすれば、そうだろう。
こういうお客が来てくれれば、オーディオ店は潤う。けれど長いつきあいとなるお客かどうかは、なんとも言えない。
オーディオ機器はいつか故障する。
その時は新しい機器を、またポンと買ってくれるかもしれないから、なんとも言えないけれども、
オーディオ界を支えているのは、そういう層の人たちだろうか。