ワグナーとオーディオ(その12)
ワグナーの作品を、最初から最後まで聴き通す。
その最初の会は、やはり「パルジファル」と決めていた。
どこで、いつやれるかは関係なく「パルジファル」だと決めていた。
ステレオサウンドで働いていたころ、確か23歳のころだったか、長島先生に「少年、君はパルジファルだな」と言われたことがある。
18歳で働くようになった私は、ハタチすぎても少年とたびたび呼ばれていた。
長島先生にパルジファルと呼ばれた。
そのことがずっと心に残っているから「パルジファル」だった。