Date: 5月 1st, 2011
Cate: BBCモニター
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BBCモニター考(余談・K+Hのこと)

若いオーディオマニアの方は、もうそうでもないのかもしれないけれど、
私ぐらいまでの世代だと、スタジオモニター、モニタースピーカーというものに、
いまでも反応してしまうところがある(少なくとも私はいまでもそう)。

モニタースピーカーで思い浮べるスピーカーシステムは、けっこうバラバラかもしれない。
まっさきにアルテックの銀箱をイメージする人もいれば、やっぱりJBLの4320、いや4350とか、
私のようにBBCモニターだったりするだろう。

1978年3月に出たステレオサウンド 46号は「世界のモニタースピーカー そのサウンド特質を探る」が特集だった。
ダイヤトーン、JBL、アルテックといった代表的なモニタースピーカーのブランドのなかにまじって、
K+HとUREIが、新顔として登場していた。
UREIのスピーカーシステムは、その後もステレオサウンドに何度か登場している。
K+Hはというと、46号とその次の号(47号・ベストバイの特集号)に登場したきりである。
輸入元は河村研究所だったこともあり、記憶されていない方のほうが多いように思う。

K+Hには2モデルあった。
OL10とO92である。

記憶のよい方だと、O92ではなくて、092だろ、と思われるはず。
ステレオサウンド 46号、47号には092となっている。
だから私もつい最近まで092だと思っていた。

OL10と092では、型番のつけかたに、なんら統一性がない、とは以前から感じていたけれど、
疑うことまではなかった。
それに私が聴きたかったのはOL10のほうだったこともある。

46号で、瀬川先生は、書かれている。
     *
私がもしいま急に録音をとるはめになったら、このOL10を、信頼のおけるモニターとして選ぶかもしれない。
     *
47号では、☆☆☆をつけたうえで、「ほとんど完璧に近いバランス」と書かれている。

OL10は、瀬川先生が、どういう音を求められていたのかを実際の音で知る上でも、
どうしても聴いておきたかったスピーカーシステムのひとつなのだが、
そういうスピーカーに限って、実物すらみることはなかった。おそらくこれから先もないだろう。

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