BOSE 901というスピーカーのこと(その4)
ステレオサウンドを辞めてから、BOSEの901を聴く機会はまったくなかった。
BOSEの901は、オーディオマニアならば、大抵の人が知っているはず。
にも関わらず聴いたことのある人はの割合は、かなり低い。
オーディオ店で見たことはある、という人、
鳴っているというだけの状態ならば、聴いてはいるけども……、という人、
オーディオ雑誌で見ただけ、という人は、多い。
すでに製造中止になっているとはいえ、901はロングセラーモデルである。
なのに聴いている人は、本当に少ない。
そういう私だって、ステレオサウンドで働いていたから、
901を聴けたわけで、そうでなかったら、見たことはあるけれども……、となっていたはず。
聴いてみたかったスピーカーだけれど──、
901は残念なことに、その代表格ともいえた。
私が幸運だったのは、ステレオサウンドで聴くことができただけでなく、
井上先生が鳴らされた901の音を聴いていることだ。
その音を聴いてなければ、
今回のaudio wednesdayで鳴らそうとは思わなかっただろう。