老いとオーディオ(音がわかるということ・その7)
(その1)を書いたのは2015年だから、九年前。
音の違いがわかる、ということと、音がわかる、ということは決して同じではない、
と九年前はそう思っていた。
いまになって、もう一度考えてみると、同じことだともいえる──、
そうおもうようになってきている。
音の違いがわかる、といっても、それは深い意味での音の違いではなく、
音の差にすぎないからだ。
だから前に聴いた音や聴く順番によって、音の違いがかわってしまう。
そのことをわからずに、音の違いがわかると豪語している人もいる。
つまりは音がわからなければ、本当の意味での音の違いはわからないということだ。