管球王国 Vol.110(その3)
管球王国 Vol.110で、是枝重治氏はこんなことも書かれている。
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野口さんは初期の『ステレオサウンド』誌の五味康祐「オーディオ巡礼」に登場しておられました。正座して首を垂れ、エネスコを奏するクレデンザにじっと聴き入る五味一刀斎の後ろ姿は極めて印象的です。写真からその場の音が聴こえてきました。撮り手は誰でしょう。室内照明のまま絞り解放で撮られた思わしきモノクローム写真は味わい深いのです。
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ステレオサウンド 15号の「オーディオ巡礼」の扉の写真が、
五味先生の後ろ姿である。
この記事は不思議なことに、岡鹿之介氏のリスニングルームの写真はあるけれど、
野口晴哉氏のリスニングルームの写真はない。
かわりなのか、そのへんははっきりしないが扉の写真は五味先生の後ろ姿である。
《野口邸へは安岡章太郎が案内してくれた》と五味先生は書かれている。
思うに、五味先生の後ろ姿は、安岡章太郎氏が撮られたのだろう。