アキュフェーズがやって来た(その4)
《国産の水準を知る最新の標準尺》としてならば、
最新のアキュフェーズの製品を導入すべきなのではないか──、は正しいのだが、
思いがけない大金を手にしたとしても、
最新のアキュフェーズの製品が欲しいかと問われると、うーん、というしかない。
音について、うーんとなってしまうのではなく、
外観に関して、である。
別項「オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(ダストカバーのこと・その10)」で、
ウッドケースやウッドパネルに、あまり魅力を感じない、と書いている。
十年ほど前に書いたことだが、このことに関してもいまも全く同じで、
なぜ木目調に仕上げる? といいたくなることが多い私だ。
木目調の仕上げ、ウッドケース、ウッドパネル、すべてが嫌いなわけではないし、
魅力を感じないわけではないが、
そう感じる製品は、ごくわずかである。
アキュフェーズの製品もサイドにウッドパネルがついていたり、
天板に関してもそうだったりする。
けれど、私のところにやって来たころのアキュフェーズの製品は、
サイドのウッドパネルをやめている。
このことが、小さいことだけど、私にとっては嬉しいことである。
試聴室でリファレンス機器として使う(聴く)分には、
ウッドのサイドパネルがついてたり、木目調の天板であっても、
それほど気になったりはしないが、自分の部屋にやって来るモノとなると、
音も大事なのだが、このことは軽視できることではなくなる。