ジャーマン・フィジックス Troubadour 40のこと(その5)
私がカーボン仕様のDDD型ユニットの音を聴いたのは、
HRS130の音をとおしてである。
なので、直接同じ条件で比較したわけではないので、
どちらがいいとは、いまのところなんともいえない。
それでもサウンドクリエイトで聴いた印象のみでいえば、
スピーカーユニットとしての完成度は高くなっているような感じがする。
リニアリティ(ハイレベル方向)は、あきらかにチタンよりもいい、といえる。
スピーカーとして、忠実な変換機としての性能はカーボンが上か。
そんな気がする。
それでも、私はサウンドクリエイトでHRS130を聴きながら、
あのころ無理してでも(といってもそうとうな無理なのだが)、
Troubadour 40を買っておくべきだった──、そんな後悔に似たおもいをいだいていた。
カーボンかチタンか。
そう訊かれたら、どう答えるか。
カーボンはいいですよ、と答えるだろう。
カーボンがいいですよ、とは答えることはないだろう。
どちらが好きか、と訊かれたら、
チタンだ、と即答する。