ジャーマン・フィジックス HRS130(とサウンドクリエイト・その4)
サウンドクリエイトは、銀座二丁目の古いビルの二階と五階にある。
このビルは、昭和のビルそのものである。そうとうに古い。
その古いビルとサウンドクリエイトの雰囲気は、
いい感じでマッチしているようにも思う。
ジャーマン・フィジックスは五階にあった。
ソファにすわると、男性のスタッフの方がiPadを渡してくれる。
iPadで選曲するので、CDを持参することなく、聴きたい曲が聴けた。
ほんとうに便利な時代になった、と思う。
連れの彼が一曲目を選び、次に私が、三曲目はまた彼が──、
そんな感じで、約一時間、ジャーマン・フィジックスの音を聴いていた。
私が最初に選んだのは、
ケント・ナガノと児玉麻里によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第一番だ。
何度もここで書いているように、
この演奏(録音)は、菅野先生のリスニングルームで聴いている。
菅野先生のリスニングルームで聴いた最後のディスクでもある。
そして、もっとも驚いた演奏(録音)でもある。
その次に選んだのは、サー・コリン・デイヴィスのベートーヴェンの序曲集からコリオラン。
コリン・デイヴィスのコリオランは、エソテリックのSACD第一弾で、
発売になった年のインターナショナルオーディオショウでは、いくつかのブースで鳴っていた。
この演奏(録音)も、菅野先生が高く評価されていたし、
菅野先生のところで何度も聴いている。
ひさしぶりに聴けるジャーマン・フィジックスでは、
この二枚のディスクは外せない。