「かたち」
菅野先生がときおり引用される釈迦の言葉、
最近ではステレオサウンド167号の巻頭言で引用されている──
「心はかたちを求め、かたちは心をすすめる」。
デザイナーの川崎先生の言葉、
「いのち、きもち、かたち」。
このふたつに共通している「かたち」。
オーディオに限らずいろんなことを考える時に、
この、ふたりの言葉は、私にとってベースになっているといえる。
いままでは「いのち、きもち」が「心」で、
それが「私」だと、なんとなく思ってきた……。
けれど「かたち」が加わって、はじめて「私」なんだということに、 4年ほど前に気がついた。
川崎先生の「いのち、きもち、かたち」をはじめてきいたのが、
2002年6月だから、2年半かかって気がついたことになる。
正直に言うと、いままで、なぜ「心はかたちを求める」のかが、 よくわからなかったけど、
「いのち、きもち、かたち」こそが「私」だとすると、
「かたちを求める」のところが、自然と納得できる。
そして、よく口にしておきながら、
これもなぜそうなのかが、よくわからなかった
「音は人なり」という言葉も、すーっと納得できる。
そして「音は『かたち』なり」とも言いたい。