Date: 8月 27th, 2022
Cate: 純度
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純度と熟度(とモービル・フィデリティの一件・その3)

その1)へのコメントがfacebookであった。

それによるとモビール・フィデリティが疑われたことの発端は、
マイケル・ジャクソンの「スリラー」のアナログディスクを、
四万枚プレスするという発表である、とのこと。

モービル・フィデリティは、その方のコメントにもあるように、
アナログ録音のマスターテープをレコード会社から借りてきて、限定で復刻、
しかも高品質を保つために少量生産が特徴だったのに、
「スリラー」に関しては、発売枚数の桁が違う。

アナログディスクの場合、
いうまでもなくラッカー盤をカッティングすることから始まる。

モービル・フィデリティは、
このカッティング時にマスターテープを使用することが売りだったはず。

一回ラッカー盤をカッティングすれば、何万枚でもプレスできるのであれば、
今回のようなことは起らなかった。

実際はそうではない。
ラッカー盤をもとにスタンパーを作り、アナログディスクはプレスされていく。
このスタンパーが無限に同品質でプレスができれば、カッティングは一回で済む。

けれどプレスの度にスタンパーの形状もわずかずつではあるが変化していく。

つまり、何万枚とプレスするのであれば、カッティングも一回で済むわけがない。
モービル・フィデリティが「スリラー」の四万枚のために、
何回カッティングを行ったかはわからないが、
カッティングの回数の分だけマスターテープを再生するということを、
そのマスターテープの所有者であるレコード会社が許可するのか。

このあたり、レコード会社とモービル・フィデリティのあいだでどういう契約になっているのか。
部外者には知りようもないことだが、
何度でも再生してもいいよ、とレコード会社がいうとはとうてい思えない。

ならば、ということで、マスターテープのコピーをモービル・フィデリティは、
DSDに変換したのか。
それともレコード会社がDSDに変換したものを使用したのか。

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