Gould 90(その2)
グレン・グールドの生誕90年で、没後40年の今年、
ソニー・クラシカルは、なにを出してくるのだろうか──、
といったことを(その1)で書いた。
数日前に、やっと判明した。
1981年録音のゴールドベルグ変奏曲の未発表レコーディング・セッション・全テイク。
全アルバムのSACDでの発売はなかったけれど、
これはこれでなかなかに嬉しい企画である。
もちろんすぐに予約した。
予約した、予約するつもり、という人はけっこういると思う。
ものすごい数が売れるとは思わないけれど、
とりあえず買っておこう、という人は少なくないと思うからだ。
けれどだけれど、いったい買った人の何割がきちんと聴きとおすだろうか。
買い逃したくない、仕事をリタイアしたら、その時じっくりと聴く──、
そんなことを思っている人もまた少なくないだろうが、
はたして、ほんとうにじっくりと今回のこのCDボックスのすべてを聴きとおすか──、
そう問われれば、私はたぶんやらないだろう、と答える。
三十ある変奏曲のいくつかに関しては、じっくりと聴き比べだろうが、
すべてをそうすることはない、と思っている。