オリジナルとは(その4)
JBLのスピーカーユニットのターミナルは、会社設立当時はどうだったのだろうか。
1946年の最初の製品として登場したD101は、それほど大きくない写真をみるかぎり、
アルテックの以前のユニット同じように、指でツマミを回して締めつけていくタイプだ。
このD101というスピーカーユニットは、写真をご覧になった方はお気づきのように、
アルテックのウーファー515のセンターキャップをアルミ製に、
ボイスコイルを銅線からより軽量のアルミニウムに交換するなどして、
フルレンジとして設計し直したユニットである。
コーン紙の頂角も、D130以降浅くなっているのに対して、
アルテックの515同様、深い仕様になっている。
写真ではこまかいところまではっきりしないが、
おそらくターミナルも、アルテックとほぼ同じものだったかもしれない。
D101を発表したときの会社名は、JBLではなく、正確にはLANSING SOUNDだった。
会社名に「ランシング」とはいっていること、それに515をベースにしたと思われるD101が、
アルテックの神経を逆撫でしたのか、アルテック側からの要請(クレーム)により会社名を変更している。
そして、1948年に発表したD130は、D101と同じ15インチ口径のフルレンジユニットでありながら、
外観も、細部も大きく変っている。
いまだ確認できてないが、JBLのスピーカーユニットが逆相になったのは、このD130からだと私は思っている。
ターミナルも、この時点でJBLはアルテックよりもはやくバネ式のものを採用したようだ。