オリジナルとは(その2)
正直、私は、JBLやアルテックのスピーカーユニットのターミナルをその程度にしか思っていない。
これをありがたがる気持はかけらもない。
オリジナル至上主義者は、このターミナルを絶対のものとしてありがたがっている。
このターミナルも、JBLの音、アルテックの音をつくっている一要素であるのだから、
それを使い手側で勝手に変えるのはまかりならん、というふうになる。
そんなことを言う人にきいてみたいことがある。
アルテックの604-8Gのスピーカーターミナルはバネ式だ。
私は、これを変える予定でいる。
その理由のひとつとして、オリジナル、ということを考えて、である。
604-8Gにとってのオリジナルとは、いったい何なのか。
604-8Gは、型番の末尾のアルファベットが示すように、何度かの改良が施されている。
もっとも人によっては改変であって、それは必ずしも改良ではない、ということになるけれど、
そのことはひとまず措いておく。
604シリーズは、最初の604、次に604B、604C、604D、604E、604-8G(この後もつづく)と変遷している。
604シリーズのスピーカーターミナルをみていくと、バネ式になったのは604-8Gからで、
それ以前のモデルはすべて、一般的な金属製のターミナルで、指で先端部分をまわしてしめていくタイプで、
バネ式のものよりも、スピーカーケーブルも、ずっと太くてもすんなり使える。
「オリジナル」は最初の604とする考えならば、
スピーカーターミナルはバネ式にこだわる理由は、私にとってはなくなってしまう。