内田光子のベートーヴェンのピアノ・ソナタ
3月4日夜、金子三勇士の「Freude」をTIDALで聴いた。
夜遅かったのでヘッドフォンで聴いていた。
リスト編曲によるベートーヴェンの交響曲第九番の四楽章がおさめられている。
これを聴き終ったあと、もう寝るつもりだった。
TIDALは、好きな演奏家をリストにできる。
金子三勇士は、Miyuji Kanekoである。
私のリストではその上に、Mitsuko Uchidaが表示される。
内田光子が、金子三勇士のすぐ上にある。
聴くつもりはなかったのに、ついMitsuko Uchidaのところをクリックしてしまう。
そこにはベートーヴェンのピアノ・ソナタのアルバムも表示される。
第三十一番の一楽章だけ聴こう、と思った。
結局、全楽章を聴いて、三十二番も聴いていた。
一年三ヵ月ぶりに聴く内田光子のベートーヴェンのピアノ・ソナタ。
前にも増して、素晴らしいベートーヴェンの音楽として聴こえてくる。
2006年に発売されている。
出てすぐに買って聴いている。
その時から、素晴らしいベートーヴェンだと感じていた。
それから十六年。
その感動は薄れたり、失われたりすることなく、増しているし濃くなっている。
「人は歳をとればとるほど自由になる」
内田光子は、あるインタヴューでそう語っていた。
私もすこしは自由になっているのだろう。
こんなにも内田光子のベートーヴェンが素晴らしく聴こえるのだから。