JBL SA750(その17)
JBLの新製品SA750について書いている。
このSA750は、発明を聴く、という新製品ではない。
そのことが頭に浮んできた。
別項「新製品(発明を聴く・その1)」で、新製品を聴く、ということは、ときとして発明を聴くことである、
と書いた。
発明を聴ける新製品が、発明を聴けない新製品よりも上とは、もちろん考えていない。
だからこそ、なにか新製品が出るたびに、この新製品は何か発明を聴けるのか──、
そういう視点で捉えることはしないし、それで評価が変るわけでもない。
それでもSA750について書いていて、
SA750は発明を聴くという新製品ではないことが浮んできたのは、
SA750がSA600のオマージュモデルとして扱われているからであろう。
SA750のパワーアンプの出力段はG級動作と謳っている。
アーカムのSA30がベースモデルだし、SA30もとうぜんG級動作である。
G級動作はアーカム独自の技術のようなので、この方式そのものは発明といえよう。
とはいえ、信号レベルに応じて、出力段の電源電圧を切り替えているようなので、
だとしたら既に製品化したモノがいくつか存在している。
もっとも信号レベルの検出、どのレベルで切り替えるのか、
そういった細かいところでの独自技術なのだろうか。
G級動作を発明とみなせば、SA30は発明を聴ける新製品といえるわげだが、
SA750は、そのへん微妙といえば微妙だ。
日本にはSA750のほうが先に発売になっているはずだ。
アーカムの取り扱いが再開されたのは、つい最近のことだ。
となるとSA30よりもSA750を聴いた人にとっては、
SA750で発明を聴いた、ということもいえる。
こんなどうでもいいことを書いているのは、
SA600はどうだったのか──、そのことを思い出してほしいからである。