新製品(発明を聴く・その1)
新製品を聴く、ということは、ときとして発明を聴くことである。
もちろんすべての新製品に、このことがあてはまるわけではないが、
例をあげれば、CDの登場である。
1982年10月にCD(CDプレーヤー)の音を聴いた。
そのことをふり返ってみて気づくのは、発明を聴いた、ということである。
オーディオの歴史を、エジソンの蝋管まで遡ってみよう。
当時の人たちは、エジソンが歌った「メリーさんの羊」を聴いた、というよりも、
おそらく、エジソンの発明を聴いた、という印象の方が圧倒的に強かったのではないだろうか。
蝋管が円盤になり、SPがLPになる。
これも発明を聴いた、といえる。
そしてモノーラルがステレオになる。
これもそうだ。
こまかな発明は他にもある。
そうやって、いくつかの発明を聴いてきている。
とはいっても私が体験できた発明、
それも大きな発明といえばCDである。
SPからLPへ、モノーラルからステレオへ、といった発明は、
生れていなかったので体験できていない。
ラジオからラジカセ(ここまではモノーラル)、
それからオーディオ(ステレオ)と来ているから、
ここのところは体験しているとはいえるが、
発明の時期に体験しているわけではない。