Date: 8月 30th, 2021
Cate: 新製品
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JBL SA750(その11)

そろそろステレオサウンド秋号の発売時期。
おそらくJBLのSA750の試聴記事が載っているはずだ。

カラーページで取り上げられるのではないだろうか。
モノクロ1ページということはないはずだ。

カラー見開き2ページでの紹介。
書いているのは、おそらく小野寺弘滋氏と思う。

誰だろう? と考えてすぐに浮びもするし、
消去法でいっても小野寺弘滋氏が残る。

カラーかモノクロなのかは断言できないけれど、
小野寺弘滋氏が書いているのは、断言できる。
他にいないからだ。

SA600とのデザインの比較について書いてあるのだろうか、
アーカムのSA30のことはどうなのだろうか。

SA750の内部写真は載っているのか。
載っているならば、アーカムのSA30がベースモデルかどうかは一目瞭然である。
Googleで画像検索すれば、SA30の内部写真はすぐに表示される。

SA750の内部写真を載せているのか載せていないのか。
その説明をどう書いているのか。
このあたりも興味がある。

といっても、いちばん興味があるのは、その音である。

瀬川先生は、SA600のことを、こう書かれていた。
     *
 そこに思い当ったとき、記憶は一度に遡って、私の耳には突然、JBL・SA600の初めて鳴ったあの音が聴こえてくる。それまでにも決して短いとはいえなかったオーディオ遍歴の中でも、真の意味で自分の探し求めていた音の方向に、はっきりした針路を発見させてくれた、あの記念すべきアンプの音が──。
     *
瀬川先生は、ステレオサウンド 52号の特集の巻頭で、
《SA600を借りてきて最初の三日間というものは、誇張でなしに寝食を惜しみ、仕事を放り出して、朝から晩までその音に聴き耽った》
とも書かれている。

1981年、ステレオサウンド別冊の巻頭では、
《およそあれほど無我の境地でレコードを続けざまに聴かせてくれたオーディオ機器は、ほかに思い浮かばない》
と書かれている。

SA600とSA750は違うことは承知している。
時代も違う。
それでも、どこか期待してしまう。

期待するだけ、無駄と半分わかっていても、そうしてしまう。
そういう音は、おそらくSA750からは鳴ってこない(はずだ)。
聴いてもいないのに、そう書いてしまっている。

私がオーディオ評論家だったとして、
SA750の新製品紹介の依頼があったとしたら、即答でことわる。

SA600への思い入れを無視して、なにかを書けるわけではないからだ。

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