ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その71)
別項で、骨格のある音、骨格のしっかりした音について書いている。
書きながら、音の骨格を意識するようになったのは、いつごろからだろうか──。
あのころからかな、とか、いや、もっと遡ってのあの時かも、
いやいや、結局は、「五味オーディオ教室」を読んだ時からなのでは──、
そんなふうに、はっきりとなんともいえない。
それでもいえるのは、ここでのテーマである朦朧体を意識するようになってからは、
特に骨格のある音を強く意識するようになったことだけは、はっきりしている。
ここでのタイトルは、「ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと」だから、
ボンジョルノがつくってきたアンプ、
ジャーマン・フィジックスのスピーカーのことがメインテーマのように思われかもしれないが、
もちろんこれらもテーマではあっても、メインテーマは朦朧体である。
輪郭線に頼らない音像の描写。
そこに肉体の復活を感じられるかどうかは、その骨格にあると感じているからだ。