「ルードウィヒ・B」(ジャズ喫茶の描写・その3)
「美味しんぼ」というマンガがあった。
マンガにあまり関心のない人でも、かなりヒットしたマンガだけに、
どこかで目にしてたり、読んだことはなくても、
「美味しんぼ」というマンガがあったということは知っていよう。
「美味しんぼ」にも、ジャズ喫茶が登場する回がある。
「SALT PEANUTS」という回がそうだ。
地下にあるジャズ喫茶で、スピーカーはJBLの4350。
Aではなく、ウーファーのコーン紙が白い4350である。
注目したいのは、ジャズ喫茶の描写ではなく、
セリフに「レコード演奏」が出てくることだ。
「美味しんぼ」は1983年から連載がスタート。
「SALT PEANUTS」の回は1986年ぐらいだ。
菅野先生が「レコード演奏家論」をステレオサウンドに発表されるよりも、
かなり前である。
レコード演奏という表現は、「美味しんぼ」が最初ではない。
菅野先生も瀬川先生も、レコード演奏、レコードを演奏する、という表現を、
1970年代から使われていた。
とはいえ、オーディオ雑誌ではないところで、「レコード演奏」が登場したのは、
おそらく「美味しんぼ」が最初ではないだろうか。