2021年ショウ雑感(その3)
オーディオショウでは、出展社のブースで、
オーディオ評論家が一時間ほど担当することが、当り前になっている。
ここ数年、オーディオ評論家に頼らずに、自社のスタッフだけで行っている会社も増えてきたが、
それでもオーディオ評論家を使うところは、まだ多い。
オーディオ評論家にとっても、オーディオショウは稼ぎ時である。
あちこちのブースから呼ばれているオーディオ評論家は、
いちおうは売れっ子ということなのだろう。
客が呼べるオーディオ評論家ということなのだろう。
そういう人は、一日いくつものブース(出展社)をまわる。
それたけ実入りが増える。
オーディオショウが昨年のようにほとんど行われないということは、
その分、収入が減る、ということである。
オーディオショウだけがなくなったわけではない。
オーディオ店に呼ばれることも、そうとうに減っているはずだ。
人が集まるところに呼ばれなくなる、
そういう機会がもとからなくなってしまっている。
昨年、オーディオマニアの友人と、
「オーディオ評論家も大変な一年だったね」という話をした。
今年もそうなりそうな気配が濃い。
オーディオ評論家は、いわば自由業と呼ばれる職種だ。
こういう状況がこれからも続いたり、
数年後に再び起ったりするのであれば、
オーディオ評論家を目指す人は、どれだけ現れるだろうか。
オーディオ雑誌の編集者から、オーディオ評論家に転身する人も、
予定を変更したり、あきらめたりしているのかもしれない。