2020年をふりかえって(その17)
ステレオサウンドは四冊、オーディオアクセサリーも四冊。
管球王国、アナログもそうである。
ステレオ、無線と実験、ラジオ技術は十二冊。
一年間で五十冊をこえるオーディオ雑誌が出版されている。
それぞれに表紙がある。
2020年、いちばん印象に残ったのは、
いま書店に並んでいるステレオサウンド 217号の表紙である。
ステレオサウンドの表紙は、
安齊吉三郎氏の時代ではなくなって、ずいぶん経つ。
いまの人が撮るようになって、感心したことはない。
有名な人なのだろうが、表紙のインパクトがずいぶん薄れてしまっている。
そう感じていたし、それが当り前になっていたところに、217号の表紙である。
美しさのかけらもない表紙だ、と思って書店で眺めていた。
ひどく安っぽいのだ。
おまけに季節感も、そこにはまったく感じられない。