「音楽性」とは(映画性というだろうか・その12)
映画「鬼滅の刃」が、とてもヒットしている。
先日、仕事関係の知人が観に行っている。
彼いわく、「大ヒットの映画は映画館で観るべきではないかも」といっていた。
大ヒットしているといえる「鬼滅の刃」だけに、普段映画館に来ない人たちも大勢来る。
その人たちのなかには、ほんのわずかだがマナーがなっていない人がいるから、が理由だった。
かなりひどかった、そうだ。
「鬼滅の刃」の予告編は、「テネット」の上映の前に流されていた。
マンガとアニメを、とにかくバカにする人たちがいるけれど、
映画館での「鬼滅の刃」の予告編をみていたら、
観に行こう、と思わせるほどに、丁寧に制作された映画と感じられた。
これは映画館で観たい。
観に行くつもりでいたけれど、知人のいうのをきいて、
確かにそうかもな……、と思ってしまった。
そのマナーがひどかった人は、自分の部屋でみるのと同じ感覚だったのか。
話題になっている映画だから、映画館に行ったわけだけど、
映画のスクリーンは、家庭のテレビが大きくなっただけ、という感覚だったのだろうか。
それから、もうひとつ、今日知ったのだが、ファスト映画というのがYouTubeにある。
ファストはfastであり、ファストフードのそれである。
少し前から、Netflixに、再生速度を1.5倍にする機能がついた。
こんな機能、誰が使うんだろうか……、と私は思うのだが、
要望が多かったから、こんな機能を搭載したのだろう。
試しに、以前みた映画を、少しだけ1.5倍にした。
ストーリーを追うだけなら、1.5倍再生でみたほうが、時間の節約になる。
けれど、映画も音楽も、時間軸があってこその表現であって、
その時間を、受け手側が勝手に1.5倍にしてみることは、その映画を鑑賞したといえない。
ファスト映画は、1.5倍どころではなく、
第三者が10分程度に編集し解説をつけた動画のことである。
一時間半から二時間半ほどの映画一本を、10分程度に編集した動画をみる行為は、
1.5倍再生が、ずっとましに思えてくるほどである。