オーディオと「ネットワーク」(情報量・その9)
私にとってのオーディオの原点といえる「五味オーディオ教室」。
この本に、
《今日のような情報過多の時代には、情報を集めるより容赦なくそいつを捨てる方向にこそ教養というものが要る》
と書いてある。
「五味オーディオ教室」は1976年に出ている。
1976年より2020年のいまは、もっともっと情報過多の時代である。
情報を集めることは、1976年よりもずっと簡単、手軽になっている。
しかも1976年のころの情報といえば、おもに文字による情報だった。
いまも文字による情報がそうだといえるが、
インターネットは文字だけでなく写真も動画も音も、
電気信号に変換できるものであれば、
スマートフォンの画面とスピーカー、パソコンの画面とスピーカーで伝えることができる。
ということは、それらの厖大な情報を捨てる方向で要る教養は、
1976年のころよりも、ずっと求められることでもある。
では、その教養を身につけるためには、どうするのか。
インターネットに頼る──のか。