オーディオ雑誌考(その8)
岩崎先生はどうだろうか。
ステレオサウンドがメインだったと思っている人も少なくないようだ。
岩崎先生の著作集「オーディオ彷徨」は、
ステレオサウンドから出ていることが関係してのことだと思うが、
岩崎先生が書かれていたころ、ステレオサウンドを読んでいた人ならば、
決して短くない期間、まったく書かれていないことに気づかれていたはずだ。
私は41号からの読者だから、そのことを知っていたわけではない。
それでもステレオサウンド 50号には、
巻末附録としてあった、創刊号から49号までの総目次があった。
高校生だった私は、読んでいないバックナンバーのほうが何倍もあった。
だから、総目次を創刊号から順に丹念にみていった。
すると、岩崎先生の名前がまったくない号が、けっこう続いていることに気づいた。
どうしてだったのか、いまではなんとなく知っている。
なんとなくこうだったのではないか、とも思っているが、
なんとなくでしかないので書いたりはしないが、そういう時期があったのだけは事実だ。
ジャズをあまり聴かずに、スイングジャーナルもあまり読んでこなかった人にとっては、
だから岩崎先生も、ステレオサウンドがメインだったと想いがちになるが、
どちらがメインかといえば、スイングジャーナルだった、と思う。