VUメーターのこと(その20)
私がオーディオに興味を持ち始めた1970年代は、
メーター付きのアンプが、いまよりも多かった。
その当時は、なぜだろう、とは考えなかった。
その後、メーター付きのアンプが減ってきても、そんなことは考えなかった。
いまはちょっと考える。
なぜだったのか。
それは真空管アンプが、ほとんど市場からなくなった、
メーカー製の真空管アンプが非常に少なかったからなのではないか、と考える。
真空管アンプにあって、
トランジスターアンプにないものとはなにか。
ガラスという素材である。
真空管の多くはガラスのなかに電極がおさめられている。
真空管のまわりにはトランスがある。
トランスは金属のかたまりであり、
真空管、トランスはシャーシーの上に並ぶ。
シャーシーも、もちろん金属である。
真空管アンプ、
きちんといえば真空管のパワーアンプは、金属とガラスという異る素材がつねにあった。
トランジスターアンプになると、金属だけである。
でも、そこにメーターがついてくると、少し違ってくる。
メーターにはガラスもしくはアクリルが使われている。