何を欲しているのか(サンダーバード秘密基地・その3)
デアゴスティーニ版サンダーバード秘密基地にまったく関心ない、
という人もけっこういることだろう。
今回のサンダーバード秘密基地は、私と同世代、それより上の世代をターゲットした企画だろう。
子供のころ、サンダーバードを夢中になって見ていた世代、
サンダーバード秘密基地のプラモデルのころ、子供だった世代を狙ったものであり、
サンダーバード? という世代で、
サンダーバード秘密基地に興味をもつ人はあまりいない、と思う。
つまりは、世代特有の飢えと渇きを分析しての企画ともいえよう。
だからといって、同世代の人たちみなが、同じ飢えと渇きをもっているわけでもないのだが、
それでも共通する飢えと渇きをもった人は少なくないのだろう。
それに加えて、その人だけの飢えと渇きもある。
この飢えと渇きは、他のモノではいやすことはほぼ無理なようだ。
ヤフオク!や中古オーディオ店を眺めていると、
衝動に負けそうになることがある。
このスピーカーを、このアンプを、このカートリッジを、
自分の手で鳴らしてみたい、という衝動をおさえるのがたいへんなこともある。
もう一度聴きたい、ではなくて、
一度自分の手で鳴らしてみたい、という気持が圧倒的に強い。
オーディオ店の店頭、
それだけでなく瀬川先生が定期的に来られていた試聴会、
それらの機会に聴くことができ、いい音だな、と思ったオーディオ機器、
これらを自分の手で鳴らしてみたいのだ。