Date: 12月 2nd, 2019
Cate: モノ, 世代
Tags:

モノと「モノ」(世代の違い・その1)

数日前、ハタチぐらいの若者数人による座談会が、
インターネットの記事になっていた。

テーマは「若者のお金の使い方」についてだった。

ほぼ全員、いわゆるモノを買うのには、あまり興味がない、
モノより体験にお金を使う、とあった。

体験とは、スポーツ観戦だったり、音楽のライヴも含まれるし、
映画館に行くのも、テーマパークに行くのもそうであろう。

この若者たちに、司会者は訊ねなかったのか、と思うことがある。
クルマは確かにモノである。
高価なモノである。

けれどクルマは買ってオシマイ、というモノではない。
クルマを運転するという体験ができる、
運転して、どこかに行ける、ということも体験である。

オーディオもそうだ。
この座談会に登場したハタチぐらいの人たちにとっては、
われわれが購入するようなオーディオ機器は、高価過ぎるということになろう。

しかも高価過ぎるモノでしかないのだろう。
われわれはオーディオ機器というモノを買っているが、
けれどオーディオで音楽を聴く、ということは体験である。

音楽ライヴでは、一度きりの体験である。
オーディオでの音楽は、くり返し体験できるからこその発見がある。

クルマやオーディオは高価だけど、たとえばTシャツでもいい。
Tシャツのいちばんいいのが、どれだけするのかしらないが、
数千円出せば、いいTシャツが買えるはずだ。

ユニクロのTシャツも悪くはないが、
たとえば五千円ほどするTシャツを着れば、
その着心地の良さは驚くのではないのか。

これも体験である。
良質のモノは、すべて体験へとつながっていく。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]