「音は人なり」を、いまいちど考える(その13)
自己模倣から逃れられない──、
そうみえるオーディオマニアがいる。
私が勝手にそう想っているだけで、
他の人からみればそんなことはない、ということになることだってあるし、
当の本人にしてみれば、たとえそうであったとしても、よけいなお世話ということになる。
どこそこの誰が、自己模倣のまま、と指摘したいわけではない。
考えているのは、なぜ自己模倣をしてしまうのか。
別項「続・何度でもくりかえす」で、
無為に耐えられないから、ついつい手を出してしまう、と書いた。
とにかく、なにかあるとどこかいじっている人がいる。
時には屋上屋を重ねる的なことを、何度もくり返している人がいる。
もう少し、じっくり腰を落ち着けて音楽を聴いてからでも、
オーディオをいじるのは遅くないどころか、
昔からいわれているように、そのほうが確実である。
にもかかわらず、ここを変えたら……、
そんなことをずっと言っているオーディオマニアがいる。
そういう人たちは、無為に耐えられないのだろう、と思っている。
自己模倣の人たちも、同じに思う。
無為に耐えられない人なのだろう、と。