現代真空管アンプ考(その27)
真空管アンプではどうしても不可欠になってしまうトランス類、
これらをどう配置して、どう取り付けていくのかについて、
こまかく書いていこうとすると、どこまでも細かくなってしまうほど、
やっかいな問題といえる。
それに真空管アンプを自作される人ならば、
こうやって文章だけで伝えてもイメージされるだろうが、
自作されない方のなかには、なかなかイメージしにくいと思われている方もいるのではないか。
ここまで書きながら、もう少し具体的に、
もう少しイメージしやすいようにしたい、と考えていた。
なので、過去の真空管アンプで、
私が考える現代真空管アンプに近いモデルはあっただろうか、とふり返ってみた。
マランツの管球式アンプ?
マッキントッシュ?
いくつかのブランド名とモデル名が浮びはするが、
どれも違うな、と思う。
結局、QUADのIIが、意外にも、
私が考える現代真空管アンプに近いようにも感じている。
ここで考えている現代真空管アンプとは、
あくまでも自分の手でつくれる範囲において、である。
加工機械を駆使して、金属ブロックからシャーシーを削り出して──、
そういうことまでは、ここでのテーマではない。
もちろん理想の現代真空管アンプとは? ということは考えながらも、
個人でつくれる範囲に、どうもってくるのか。
それもテーマの一つである。
そういう視点で眺めてみると、
QUAD IIというモデルこそが、という想いが確固たるものになってくる。