Date: 9月 26th, 2019
Cate: 「うつ・」
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偏在と遍在(その2)

録音されたプログラムソースを再生するのをオーディオ機器とすれば、
四十年前のウォークマンの登場以前、さらにはオーディオブーム以前、
日本の各家庭にどれだけオーディオ機器(当時はステレオの方が一般的だった)があったのか。

それは遍在とはいえなかった。
テレビにしてもそうだった時代がある。

テレビが各家庭に一台、
ほぼ必ずあるといえるようになったのは、私が幼かったころより少し前ぐらいか。
それがいつのころからか、各家庭に一台から各個人に一台、という時代になった。

ステレオの普及はテレビよりも遅かった。
各家庭に一台、といえるような時代が来る前に、
ウォークマンが登場したのではないだろうか。

東京や大阪などの大都市ではどうだったか知らないが、
ウォークマンが登場したころ、
私がまだ高校生だったころ、ステレオがない家庭は別に珍しくなかったし、
ある家庭の方が少なかった。

大都市ではそこそこステレオが普及していたのであれば、偏在といえよう。
ウォークマンは、まだそういう段階だった時代に登場した。

いまは、というと、一人一台、スマートフォンを持っている。
一台という人が多いのだろうが、電車に乗っていると、
複数台のスマートフォンをいじっている人を見かけることは、そんなに珍しいことではない。

いまでは、そのスマートフォンが、広義ではオーディオ機器となる。
その1)で、スマートフォンで撮った写真を、
すぐさま公開できるようになった、ということは、
偏在から遍在への、大きな変化だ、とした。

カメラとしてのスマートフォンは、確かにそうだ。
それではオーディオ機器としてのスマートフォンの場合は、どうだろうか。

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