ホーン今昔物語(It’s JBL・その2)
ステレオサウンド 210号の第一特集は「いま心惹かれる10のスピーカーで、
小野寺弘滋氏は、JBLのDD6700を鳴らされている。
そこにこんなことを書かれている。
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私はホーン型ユニットが好きである。(中略)
だが、ホーン型ユニットは一部の、というより、多くの、いわゆるハイエンドスピーカーの設計者から時代遅れだとみなされている形式だ。その理由を詳述するスペースはないが、現在のオーディオ市場に、ホーン型ユニットを搭載したスピーカーシステムがほとんどないのが現状である。
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ここで、ちらっとハーマンインターナショナルのサイトで「It’s JBL」を書いていること、
そこでホーン型について書いていることを触れることくらいしてもよかったのでは──、と思う。
読んでほしいと思っている人たちに届かなければ、あまり意味はない。
少なくとも私はそう考える。
(その1)で、「It’s JBL」を読んでいる人たちは、
すでにJBL、ホーン型スピーカーを鳴らしている、もしくは関心のある人たちではないのか、と書いた。
そうでない人もいようが、おそらく少数だ。
ならば小野寺弘滋氏の文章を冊子にまとめてオーディオ販売店に置く、という手もあるが、
コストがかかるし、ここでもまた、その冊子を手にするのは、
すでにJBL、ホーン型スピーカーを鳴らしている、もしくは関心のある人たちが大半になるだろう。
オーディオがブームだったころは、そういうやり方も効果があっただろうが、いまはどうだろうか。
小野寺弘滋氏が、ステレオサウンドの特集の文章のなかで、「It’s JBL」のことを触れたとしよう。
そんなことはけしからん、という人はいる。
多いのか少ないのかはなんともいえないが。
でも、それでもいいではないか。
「It’s JBL」を書いている小野寺弘滋氏が、
「It’s JBL」をほんとうに多くの人、
特にJBL、ホーン型スピーカーに関心のない人たちにこそ読んでほしい、と思っているのなら、
ちょっとぐらいの批判は覚悟のうえで、「It’s JBL」について触れてもいいではないか。