Western Electric 300-B(その6)
そういう300Bプッシュプルアンプならば、ウェスターン・エレクトリックの300Bでなくとも、
数多くある互換球の300Bでいいじゃないか、という考えをもつ人はいよう。
ウェスターン・エレクトリック以外の300Bでは、PSVANあたりかな、と思いはする。
それでも実際にPSVANの300Bで作ろうとしたら、
私のなかにあるウェスターン・エレクトリックの300Bの印象へと少しでも近づけようとする。
そうなるとフィラメントの点火も、定電流点火にしたくなる。
ウェスターン・エレクトリックの300Bと、それ以外の300Bの音の違いは、
理由はあれこれあるだろうが、そのひとつとしてエミッションに起因しているような気もする。
そうであれば安定化という意味でも、
ウェスターン・エレクトリック以外の300Bだと定電流点火にしたくなる。
つまり定電流点火をやらなくするためにも、
私にとってはウェスターン・エレクトリックの300Bなのである。
それじゃ300Bのフィラメントの点火には何も工夫しないかというと、
いくつかのことはやろうと予定している。
ひとつは、別項で何度も書いているCR方法である。
この方法は、スピーカーユニットに対して、これまで効果的であった。
同じことを300Bのフィラメントにも試してみたい。
300Bのフィラメントの定格は5V、1.2Aである。
つまり直流抵抗は約4.16Ωである。
300Bのフィラメントに対して、
4Ωの無誘導巻線抵抗と4pFのコンデンサーを直列接続したものを並列に接続する。
まだ他の真空管でも試していないが、何らかの効果は得られる(はず)と確信している。
同じことを電源トランスの巻線、
つまりフィラメント点火用の巻線にも施す。
あとはフィラメント用の配線材に銀線を使ってみたい。
このくらいのことならば、大がかりではない。
もう回路も決めてある。
コンストラクションもおおまかに決めている。