オーディオ機器の付加価値(その7)
付加価値が口ぐせのようになっている人にも、
オーディオに夢をみていたことがあったのか──、
というコメントがfacebookであった。
そういうことを、その彼と話したことはない。
もう何年も会っていないし、これからも会うことはないはず。
オーディオのことを話したことは何度かあったけれど、
付加価値の彼とは、つっこんだことを話したことはない。
なのであくまでも憶測でしかないが、
彼は彼なりに、なんらかの夢はあった(ある)だろう。
いい音を出したい、という夢はあったはずだ。
けれど、ここからが憶測になるわけだが、
その「いい音」とは、周りから「いい音ですね」と言われたいがための「いい音」なのかもしれない。
昨年トロフィーオーディオということを書いている。
彼にとって、オーディオとはそういう側面をもっていたのかもしれない。
「A社の○○を鳴らされているですか、すごいですね」
そんなふうに周りからいわれたいのかもしれない。
彼は数度会ったぐらい、さほど親しくなっていない人に対して、
「スピーカーは何を鳴らされているんですか」ときいてくるそうだ。
彼が鳴らしているスピーカーよりも、安い、もしくは世評の低いスピーカーだったりすると──、
あくまでもきいた話なので、このへんにしておこう。
一時の優越感に浸れる。
自分よりも高価なスピーカー、世評の高いスピーカーを相手が鳴らしていると、
その人たちの仲間になろうと積極的にくいこんでいく。
彼にとっての価値とは、そういうことなのかもしれない。